
今年も The Game Awards の季節がやってまいりました。
ネット界隈ではすっかり Ghost of Tsushima がゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞する雰囲気になっていますね。おいらはここではっきり断言します。Ghost of Tsushima は The Game Awards にてゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞できません。理由は The Last of Us Part II があるから。では順を追って解説します。
The Game Awards とはなにか
1年を通してコンピューターゲーム、コンシュマーゲームの功績を讃える式典はいくつかあります。その中でも5大式典というくくりがあります。
世界で有名な5大ゲームアワード一覧
- D.I.C.E. Awards
- Game Developers Choice Awards
- The Game Awards
- British Academy Games Awards
- Golden Joystick Awards
そしてこの中でもっとも世の関心度が高く、話題になるのが The Game Awards です。
そのため The Game Awards の Game Of The Year に選ばれることは大きな功績となります。アカデミー賞作品賞受賞くらいのインパクトがありますね。
2020 年の Game Of The Year のノミネート作品一覧
そして先日 Game Of The Year のノミネート作品が発表されました。
6本ありますが、下馬評では Ghost Of Tsushima か The Last Of Us Part II のどちらかが Game Of The Year を取ると言われています。対抗で あつまれどうぶつの森 でしょう。なのでその3本のうちのどれかが受賞するでしょう。
そして The Last Of Us Part II はストーリーの観点から発売直後に大炎上してしまいました。そのため Ghost Of Tsushima が Game Of The Year に一歩リードというのが大筋の予測です。
ですが、オイラの予測は The Last Of Us Part II が Game Of The Year を取ると予測します。Ghost Of Tsushima は取れません。
Ghost of Tsushima は紛うことなき2020年を代表する超絶名作ゲーム

ちなみにオイラは両方ともプレイし、クリアしました。もちろん Ghost Of Tsushima はちゃんと最後までプレイしました。そしてこのゲームは紛うことなき大名作であり、間違いなく2020年の今年を代表するゲームです。
Ghost Of Tsushima の強みは、西洋文化圏に侍の「誉ある死」とは何かを丁寧に理解させたこと

Ghost Of Tsushima はなぜこれほどまで評価が高いのか。すでに多くのユーザーが称賛の記事にしているので、いまさらここで指摘することはしません。なので、ここではまだ誰も指摘していない点を述べたいと思います。ネタバレも含みますのでまだ未プレイの方は注意!!
このゲームで作者が描きたかったことは、主人公の主君である志村との侍道の道徳観の相違だけで切り合いをし、勝った主人公は志村に割腹するかどうか選択させるというあのシーンでしょう。自分のボスとの対決って普通なら裏切りとか仕返しとか恨みとかですよね。親が殺されたとか敵に寝返ったとか。それがこのゲームでは侍道の方向性の違いで殺し合うんですよ。方向性の違いだけですよ? バンドメンバーの方向性の違いなら解散するだけですよね。そんな道理が通るのは後にも先にも日本の武士道や侍道、忍道だけだと思うんですよね。なので普通は西洋文化圏の人たちには理解できない。

できないはずなんだけど、それをゲームを通して理解させたことにこのゲームの強みがあると思うんです。なぜならこのゲームをプレイすると「誉ある死」とは何かが少なからず理解できるからです。じゃないと最後の選択が成立しないと思うんですよ。みんな志村と一緒に逃げればいいからね。
でもゲーム側は最後にユーザーに「誉ある死」の選択を委ねた。ユーザーはこのストーリーがどういう着地点にたどり着くのが正解なのか、「誉ある死」が理解できたが故にその選択が究極の選択になるわけです。いやー、お見事!! 「誉ある死」をメタにして最後の選択を葛藤あるものに昇華させるまでのストーリーテリングは称賛しかありません。
Game Of The Year 受賞作品には傾向がある
でもオイラはこの作品は Game Of The Year を受賞しないと思っています。なぜか。その前に The Game Awards 歴代の Game Of The Year 受賞作品を振り返ってみましょう。
- 2019 : SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE
- 2018 : God of War
- 2017 : ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド
- 2016 : オーバーウォッチ レジェンダリー・エディション -Switch
- 2015 : The Witcher 3: Wild Hunt
これらの作品にはある共通項があると思います。それは テレビゲームという娯楽媒体を以前よりも進化させた作品かどうか? です。
例えば去年受賞した SEKIRO は、戦闘の中で「体幹」という新しいパラメータを取り入れました。これが斬新だった。体力とは別に体幹パラメータを削るという戦略が新たな軸線として生まれたために、今までにないゲーム性を持ったゲームとなりました。なので SEKIRO は世界中のゲーム評論家に評価されました。
また 2015 年の The Witcher 3 は完全に RPG というジャンルを一段上のステージに持っていきましたね。オープンワールドにも関わらず戦闘に奥行きを持たせ、ストーリーも複数同時進行しているのにコアストーリーは魅力溢れて長時間プレイでもユーザーを飽きさせない作りでした。そのためゲーム評論家から高い評価を受けていました。
Ghost Of Tsushima はゲームを進化させたかという意味では弱い
このように受賞できるゲームは、以前よりも進化したかどうかに軸足を置いているようにみえます。その観点でいうと Ghost Of Tsushima は正直いって弱いと思っています。なぜならゲームシステム的にみると Witcher 3 から大きく変わっていないから。
オープンワールドかつ戦闘が中心でお使いクエストを消化しながら成長していく RPG は、すでに Witcher 3 で完成されています。Ghost Of Tsushima はそこからゲームとして進化していない。特徴的なシステムとして思い当たるのは風によって主人公の進むべき方向を示すのと、一騎打ちシステムぐらいでしょうか。それ以外でゲーム性が大きく進歩したわけではありません。
The Last of Us Part II は「今年 No.1 の作品」だけではとても括りきれない

だいぶ前置きが長くなりました。というわけで今年の The Game Of The Year は The Last of Us Part II だと予想します。
いや今年 No.1 の作品だけで括られる作品ではないと思っています。これから10年、20年経ってまた更に評価が高まるようなゲームだと予想します。映画でいうと ショーシャンクの空に とか ブロークバック・マウンテン みたいに。むしろ後々になって評価されるくらいなら今年ちゃんと The Game Of The Year を取るべきですね。


なぜなら The Last of Us Part II は、その賛否両論あったストーリーが受賞のキーポイントになるからだと思っています。今までのゲームのレベルをはるかに凌駕するストーリー手法に、いまだかつてこれほど心を揺さぶられた体験はありません。ネタバレになるので多くは語らないですが、テーマとしては復讐の連鎖ですね。復讐をあらゆる視点から多面的に細かく描写することで、何層にも思惑のレイヤーが重なって、なんとも救いのないストーリーなんです。


The Last of Us Part II を叩いている人たち
そしてそのストーリーを受け入れずにゲームを叩いている人もいます。もちろん称賛する人たちもいます。
叩いている人たちは過剰にゲームのキャラクターに思い入れがある人たちのようですね。この賛否両論の現象って結局こういうことなんじゃないか、っていうのを図にしてみました。

あんまり文章で説明するのが得意じゃないんで、図にしたほうがわかりやすいかなと。
まとめ
というわけでまとめると、今年の Game Of The Year には The Last of Us Part II に一票いれたいかなと。大穴の あつまれどうぶつの森 はゲームとして特に進化していないので受賞はないかなと思っています。